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セキュリティ&プログラミングキャンプ2009

セキュリティ&プログラミングキャンプ2009
「講師と環境は世界最高を用意した」――吉岡弘隆氏に聞く


岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2009/6/30


毎年、22歳以下の学生が集まって技術を学ぶ「セキュリティ&プログラミングキャンプ」。2009年も魅力的な講師陣がそろった。企画の中心となった2人に「セキュリティ&プログラミングキャンプ2009」の魅力と、そこに掛ける想いを聞いた。

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 「講師と環境は世界最高のものを用意しました。ぜひ応募してください」

 「セキュリティ&プログラミングキャンプ2009」プログラミングコースの主査を務める吉岡弘隆氏は自信を見せる。それもそのはずだ。今年の講師陣は衝撃的ですらある。

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 2004年にスタートした、学生のための夏の一大イベント「セキュリティキャンプ」。2008年からは新たにプログラミングコースが追加され、「セキュリティ&プログラミングキャンプ」となった。今年の「セキュリティ&プログラミングキャンプ2009」は8月12日から16日まで千葉で行われる。

 IT業界就職ラボはこのキャンプを、「就職」に直接関係するわけではないものの、ITエンジニアを目指す学生にとっては非常に魅力的なイベントであると考えている。吉岡氏および主催の日本情報処理開発協会 福井寛隆氏の2人に今年のキャンプに掛ける想いを聞いた。

豪華な講師陣

 毎年、若きIT人材の発掘と育成を目的に行われる4泊5日のキャンプは、早くも夏の恒例行事となりつつある。今年の講師は下記の通りである(敬称略)。

セキュリティコース講師(17名)
※宮本講師、はせがわ講師、村上講師はプログラミングコースを一部兼任
園田道夫(主査) サイバー大学 IT総合学部
伊原秀明 Ji2, Inc. 日本オフィス
上野宣 トライコーダ
岡田良太郎 テックスタイル
国分裕 三井物産セキュアディレクション
塩月誠人 セキュリティ・プロフェッショナルズ・ネットワーク
滝崎芳枝 サイバー大学
田口裕也 日本オラクル
根津研介 NTTデータ先端技術
はせがわようすけ ネットエージェント
濱本常義 エネルギアコミュニケーションズ
宮本久仁男 NTTデータ
村上純一 フォティーンフォティ技術研究所
望月岳 三井物産セキュアディレクション
吉田英二 セキュリティ・プロフェッショナルズ・ネットワーク
渡辺勝弘 独立行政法人理化学研究所
塩谷定子 (キャンプ会場実施運営担当)

プログラミングコース講師(9名)
吉岡弘隆(主査) 独立行政法人情報処理推進機構
天野仁史 サイボウズ・ラボ
川合秀実 OSASK計画
小崎資広 富士通
笹田耕一 東京大学情報理工学研究科創造情報学専攻
竹迫良範 サイボウズ・ラボ
西尾泰和 サイボウズ・ラボ
山幡為佐久 VA Linux Systems Japan
吉藤英明 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科

オープンソースのハッカーを育てる

 セキュリティコースはもちろんだが、特にプログラミングコースの講師陣は見事だ。今回、プログラミングコースは「OSを作ろう組」「プログラミング言語組」「Linuxカーネル組」の3組に分かれた。「OSを作ろう組」は『30日でできる! OS自作入門』がテキスト。著者である川合秀実氏自身や、サイボウズ・ラボの竹迫良範氏と天野仁史氏、セキュリティコースと兼任となるはせがわようすけ氏が講師という豪華な布陣である。「プログラミング言語組」はRuby処理系「YARV」の開発者である笹田耕一氏と、サイボウズ・ラボの西尾泰和氏が担当。「Linuxカーネル組」は、IPv6プロトコルスタック「USAGI」を開発した吉藤英明氏、@ITで「Linux Kernel Watch」を連載する富士通の小崎資広氏、そしてVA Linux Systems Japanの山幡為佐久氏と、名うてのLinuxカーネルハッカーがそろった。

 「いま日本で一番、活きの良い人を集めました。1人ひとり、1本釣りでお願いして回ったんですよ」(吉岡氏)

吉岡弘隆氏
プログラミングコース主査の吉岡弘隆氏
「Linuxカーネル組で見込みのある学生がいたら、リーナス・トーバルズ氏が今年10月に来日するとき、会えるように調整を頑張ります!」

 最先端の技術が教えられる、という意味だけではない。「参加した学生たちがそのままコミュニティにデビューできるように」という裏のテーマがある、と吉岡氏は明かす。確かにコミュニティの中心人物が多い。

 「オープンソースのハッカーを合宿で育てる、というのは世界でも例がない。実験的な試みなので、こちらも手探りです」(吉岡氏)

 2008年はプログラミングコース新設の年だったため、「プログラミングコースを実施するだけで精いっぱいでした」と福井氏は語る。その反省を生かし、今年は「参加する学生に、基盤系の開発者になってほしい」という明確な目標を立てた。「OS」「言語」「Linuxカーネル」とコースを分けたのも、それぞれ専門的に学んで欲しいという意思の表れだ。

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